JOCA連載コラム vol.20

Have you cottoned on yet?
「あなたはもうすでに気づいているでしょ?」
あるいは「あなたはまだ気づいてない?」

JOCA理事 森 和彦

ソイル・アソシエーションがGOTSの資金を使って欧米で始めた
オーガニックコットン・イニシアチブ「あなたはもうすでに気づいているでしょ?」
Have you cottoned on yet?キャンペーンを報告しようと思います。
Cottonという言葉が「分かる」とか「好きになる」などの意味の動詞として使われるのですね。

ソイル・アソシエーションはイギリスのオーガニックの古い協会で、子会社に認証機関を持っ
ています。GOTSのIWGのメンバーで、頼りになる仲間です。
今回のキャンペーンは近年サステイナブル・コットン・イニシアチブの範疇で、いくつかのプロ
ジェクトが欧米を中心に活発に活動していて、中にはオーガニックコットンを時代遅れの仕組
みとか認証機関のための仕組みだと中傷する人たちもいます。
まだ企業から見ると、オーガニックより手軽で分かりやすい、消費者にアピールしやすい、など
の理由で参加しているようです。実際に有名な企業の参加も見受けられるようになりました。

私の個人的な見方ですが、このようなイニシアチブがオーガニックとコンベンショナルの中間に
いて、農薬使用を減らすことや、綿花栽培の諸問題をアピールするだけなら、コンベンショナル
が少し良くなるので、このようなイニシアチブも有益と考えて良いと思っていました。ところが中
には遺伝子組換え品種を相当使っているところがある、綿花産地の農民に直接現金給付をす
るので、恵んでくれるのが当然のような甘えが出るなど、いろいろ問題があることが分かってく
ると、安易にサステイナブルと称して大きくなるのは怖いと感じるようになりました。
幸い日本市場では、この手のサステイナブル・コットン・イニシアチブへの動きはまだ少なく、
正規のオーガニックがやっと理解してもらえ始めたところですから、このような大々的なキャン
ペーンはむしろややっこしいことになります。このキャンペーンのスタートは10月4日の香港の
インターストッフ・アジアとテキスタイル・エクスチェンジの年次総会での発表からですが、完訳
を作る必要はないかなと思っていました。
でも今回ブログの材料として良く読んで見ると、JOCAのメンバーが知っておいた方が良いこと
がたくさん書いてあります。そこで完訳をつくり、ウェブに乗せ、このブログで主要なものを拾っ
てみることにしました。


◇世界中の80ヶ国に綿花を栽培している農家は1億人います。
◇BTコットンは豊作も高いイールドも保証しませんし、実際にBTコットンは干ばつや病気など
の外部からのプレッシャーにより傷つきやすいようなのです。
◇遺伝子組換え種子会社モンサントは、今ではインドの綿花種子市場の何と驚くべき95%を
コントロールしています。そのインドは世界のオーガニックコットンの68%を栽培している
のです。
◇「BTコットン栽培で保証されている有益性は実現しない。農家はもっと多くの農薬と化学肥料
を使わなくてはならない。その結果としてインプット(投入資材)のコストが上昇し、利ざやが
減少し、農家の借金漬けと自殺に追い込まれる。」

◇私たちの衣服の製造のインパクトは綿花畑をはるかに超えるように感じられます。
世界環境保護団体グリーン・ピースのダーティ・ランドリー・キャンペーンは、繊維製品製造
工場による危険なケミカルの排水の結果である、毒性の水質汚染に光を当てました。これら
の実践は私たちの貴重なエコシステムと人類の健康に対する、重大で即刻の脅威を提起し
ています。
◇淡水の20%の水質汚染は繊維製品の処理と染色から来ている。
◇綿花は毒性の作物です。耕地面積の2.5%を占めている綿花は、毎年世界中の農業で使わ
れる農薬の総量の7%を使い、殺虫剤の16%を使います。発展途上国では農薬の総使用
量の50%を占めると考えられています。
◇毎年7千7百万人もの綿花労働者が農薬の中毒で苦しんでいます。苦しみは発展途上国で
最も深刻で、そこでは貧困が人々を傷つけやすくし、危険性の理解が不足しているのと、文盲
あるいは不十分な防護服の両方のためです。
◇農薬が命を犠牲にするだけでなく、農薬が小規模農家を借金に陥らせることもあります。
だんだん高くなるので、農薬は綿花生産コストの60%にもなるようで、減少する収入を食べて
しまうと農家は借金に追い込まれます。
◇オーガニックコットンはより少ない水を使い、希少で貴重な将来の資源を守ります。
綿花は水をたくさん使う作物の一つであり、綿花1kgの生産に平均11,000リットルの水を使
います。
◇健康な土壌は雨あるいは灌漑からの水の保持と吸い上げに優れていて、だからオーガニック
の土壌は補給される水の使い方により優れていて、より日照りからの回復も良いのです。
◇合成の農薬や肥料をなくすことにより、オーガニックコットンは水路と飲み水を安全できれいに
保ちます。オーガニックの水の汚染の影響は、オーガニックでない綿花生産よりも98%も少な
いことが示されています。
◇オーガニックコットンの農場はエネルギーの消費も少なく、健康なオーガニックの土壌はより
多くのCO2を蓄え(固定し)ます。
◇コットンのTシャツ1枚の生涯で排出される15kgのCO2e(CO2と同等の地球温暖化ガス)が
排出され、この排出量の14%は綿花栽培で作られます。大量投入の集中的な綿花農業は、
作物の収量を増やすための肥料と農薬の生産や、それを撒くための車両運転のガソリンの
使用でたくさんのエネルギーを使います。作物に撒かれた工場製造の窒素肥料の83%は、
最後には環境中に大量の窒素酸化物をまき散らし、綿花の畑でのガス排出の42%の原因
となります。
◇「オーガニック農業はエコシステムに気候変動の影響をより良く順応できるようにするだけ
でなく、温室効果ガスの排出を削減する大きな可能性もまた提供しています」
◇フェアトレード・コットンの19%はオーガニックで生産されています。

以上が抜粋です。